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2008年3月16日 - 2008年3月22日

2008年3月20日 (木)

せみたけ(蝉茸)

〇せみたけ(蝉茸)

 バッカクキン科のキノコで、学名はCordyceps sobolifera。中国では蝉花、蝉踊草などと呼ばれる。セミタケは地中にいるセミ(蝉)の幼虫に寄生してその体内に菌核を形成し、やがてセミを死なせてその頭部に発生する。薬用となる中国産のセミタケは冬虫夏草の一種で、ヤマセミ(山蝉)に寄生したものである。その円柱形の柄と紡錘形の頭部を丸ごと採集して乾燥させたものが薬用に供され、特に金蝉花とも呼ばれている。セミタケそのものは日本でも春から夏にかけて、庭園や山林中によく発生する。

 セミタケには、抗腫瘍活性を示すβ-1.3-D-グルカン、細膜内皮系組織のマクロファージ亢進作用や血糖値降下作用のあるガラクトマンナンなどの多糖が含まれている。古来中国では、子実体と虫体を一緒に乾燥したものが薬用とされ、証類本草(唐慎微、1108年)には小児の驚癇、夜泣き、心悸亢進」などに効くと記されている。さらに鎮静・鎮痛・鎮痙薬として、また眼病、麻疹、発熱、炎症性疾患にも良いとされてきた。子実体だけでも滋養強壮効果があるとして、食用に珍品として供されてもいる。

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2008年3月19日 (水)

こふきさるのこしかけ

〇こふきさるのこしかけ(粉吹き猿の腰掛)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はGanoderma applanatum。中国名は樹舌、龍眼菰、梅寄生など。広葉樹のケヤキ、梅、桜、シイ、カシ、栗、キク(椈)、ミズナラなどの枯れ木や倒木に発生する。幹にまさかりを打ち込んだように扁平な半円形ないし丸山形の外観で着生し、大きなものは直径30cm以上、厚さ20cmにも達する。傘の表面は灰白色か灰褐色で年輪状の紋が入り、傘裏(管孔面)は白色または黄色を呈する傘表面にココア色の粉末(胞子)がつくので「コフキ」の名がある。肉は茶色のコルク質で固く、もっぱら薬用となる。

 コフキサルノコシカケはグルコースを主体とする多糖体の含有量の多さ(約74%)が特徴で、その子実体に含まれるβ-グルカンは抗ガン剤のクレスチン、レンチナン、シゾフィランと比較しても劣らない抗腫瘍活性を示す。また培養菌糸体に含まれる多糖類の中では、βー1.3-グルカンだけが顕著な抗腫瘍活性を示している。漢方では止血・健胃・中風・心臓病・腎臓病・脳卒中・胃ガンに効能があるとされている。

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2008年3月18日 (火)

ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)

〇ちょれいまいたけ(猪苓舞茸)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPolyporus umbellatus。中国名は野猪糞。傘が丸く、中心部の下に隠れているゴツゴツした菌核が猪の糞に見えるところから、この名がついた。ブナやカエデの枯れた根に菌核を形成する。外面は黒褐色で不整魂。長さは5~10cmで多数のくぼみと荒いシワがある。肉は固く折れやすい。内部は白色から淡褐色で無味無臭。国内では北海道と長野県でわずかに産するが、ほとんどは中国から輸入されている。

 チョレイマイタケの菌核の乾燥したものを猪苓と呼び、古くから生薬として利用されている。猪苓の成分はエルゴステロール、有機酸、β-グルカン、ビオチンなどだが、漢方薬として利尿・解熱・止瀉作用に優れた薬効を持つことが知られている。猪苓を用いた漢方処方としては猪苓湯・五苓散が代表的なもので、主に膀胱炎・尿道炎・淋病・腎臓病などに用いられている。最近ではまた、制ガン効果が脚光を浴びている。発表された動物実験によると、腹水ガンマウスに対して体重1kg当たり1日100mgの猪苓抽出液を投与したところ、抽出エキスを投与しなかったグループは35日目に10匹全部が死亡したのに対し、投与したグループは10匹中1匹しか死亡せず、ガン組織は完全に消失していたという。ヒト血清において強い補体活性能(補体は血漿中に含まれるグロブリン系タンパク質で、抗原抗体反応を促進させる働きがある)を示すとする研究も多い。

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2008年3月17日 (月)

かわらたけ(瓦茸)

〇かわらたけ(瓦茸)

 サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はlusversicolor。中国名は霊芝。春から秋にかけて、枯れ木や枯れ枝に重なり合うように密生する木材腐朽性のキノコである。傘は幅2~5cm、厚さ1~2cmで、半円形、扇型、ヘラ形など様々な形状を見せ、表面には黒色、灰色、褐色、藍色など多彩な同心紋があり、革質で固い。傘の裏は白色ないし黄ばんだ淡灰色を呈する。成長中のものを採取して、専ら薬用にされる。サルノコシカケ科のキノコはどこにでも寄生するわけではない。そのための希少価値もあって、古くから仙薬・妙薬として珍重されてきた。

 カワラタケが注目されたのは20余年前、呉羽化学工業がそのエキスからクレスチン(PS-K)という抗がん剤を開発したことに始まる。この抗ガン効果はいわゆる免疫療法で、ヒトが生まれつき持つガンに対する抵抗力を強めることが分かり、一躍ガンの免疫療法のエースとして脚光を浴びた。クレスチンは綿密な基礎実験が繰り返された結果、(財)癌研究会化学療法センターの塚越茂が、①薬の与え方(経口投与、静脈注射、腹腔内注入)の差によって毒性がほとんどない(副作用がない)、②口から与えると、ある種の抗ガン剤が効果を示さないガンにも効いた、③作用の主体は体の免疫力を高めて増強する、④ガン細胞に対して強くはないが直接働く作用を認めた、と発表した。

 これを受けて国立病院や医療センターなどで肺ガン・食道癌・乳ガン・胃ガン・悪性リンパ腫などに臨床応用され、制ガン作用が認められた。1976年8月に厚生省(当時)の許可が下り、翌年5月には保険も適用されるようになった。この免疫効果は、カワラタケエキス中にインターフェロン・インデューサー(インターフェロンの産生を促す物質)が含まれているためと考えられている。インターフェロン効果とは、外からウイルスや細菌などの異物が侵入してきたとき、これを排除しようとする生体の防御機能であり、白血球の一種であるリンパ球中のT細胞(胸腺細胞)とB細胞(骨髄細胞)の働きによるものである。カワラタケエキスのクレスチンはそのT細胞に強く働きかけて、ガン細胞を抑える作用を持つ(これと同じような作用を持つ制ガン剤としては、シイタケエキスから抽出したレンチナンがある)。

 カワラタケの免疫作用は、在来の化学療法や放射線療法などに比較すると効果は地味であるが副作用がなく、宿主に抵抗力をつけるので自然な療法といえる。さらに免疫体質を強くすることから、ガンの予防にも有効性が期待されている。

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2008年3月16日 (日)

重曹

〇重曹

 重曹は炭酸水素ナトリウムの俗名で、わが国では明治時代から掃除に欠かせない道具として一般家庭などで広く活用されてきた。最近は合成洗剤の普及で、掃除用として使われることは少なくなったが、軟水作用や消臭作用など様々な機能性で改めて注目され、また環境にやさしい素材ということからも再び脚光を浴びるようになった。

 重曹には数多くの機能性がある。例えば、制酸剤としての活用ではコップ1杯の温水に重曹を少量入れて飲むとゲップや消化不良を和らげてくれる。また風呂に重曹を入れると循環を良くして美肌効果がある。黒豆と一緒に調理すると煮える時間が短くなる。また、肉を軟らかくし、魚の臭みを消す作用もある。このように重曹には中和作用、軟水作用、研磨作用、消臭・吸湿作用、発泡・膨張作用などが知られており、食品添加物として使われるだけでなく、その活用範囲は極めて広い。天然の重曹(シリンゴル重曹)はトロナ鉱石から採られるが、地球上でトロナ鉱石を産出する鉱山は少なく、現在、天然重曹の主産地は内モンゴルが中心となっている。

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