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2005年12月29日 (木)

ドロマイト

○ドロマイト

 飽食の弊害まで叫ばれる近年の栄養事情の中で、ミネラルに関する認識の遅れが指摘されてきたことはよく知られたところである。日本人の栄養摂取の基準は「食事摂取基準」(第6次改定日本人の栄養所要量・2000年)によっており、カルシウム、鉄、リン、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンの13種のミネラルに、所要量と許容上限摂取量が策定されている。

 カルシウムの1日所要量は成人男性で600~700mg、女性は600mg(許容上限摂取量は2500mg)、マグネシウムは成人男性で280~320mg、女性は240~260mg(許容上限摂取量は650~700mg)である。

 カルシウムの体内存在量は体重比1.5~2.2%だが、単に骨格の成長に寄与、あるいは骨粗鬆症を防ぐだけでなく、全体の1%は細胞内に、0.1%は血清中に遊離イオン、あるいはタンパク質などに結合して存在し、神経刺激の伝達、心筋の運動の調整、ホメオスタシス(恒常性の維持)といった重要な生理活動をつかさどっていることが明らかにされてきている。また、脳細胞内に有害なアルミニウムが入って、アルツハイマー病やボケを引き起こすことを防ぐ働きも指摘されている。

 マグネシウムの体内存在量は体重比0.01%程度で、ほとんどは細胞内にあって酵素の活性を維持する働きが認められ、心疾患の予防、また糖尿病患者には低マグネシウム血症が多く見られることから、近年激増している糖尿病予備軍の健康維持(糖代謝の正常化)にとっても重要とする指摘もある。

 絶えず排泄されるため、摂取不足は直ちに欠乏症に結びつきやすい。また、カルシウムとマグネシウムは体内で一方が減れば一方が増えるという相補的な関係にあるため、摂取に関してはカルシウム2に対してマグネシウム1の割合を保つことが求められる。

 しかし現実問題として、日本人の平均摂取量はカルシウムが550mg前後、マグネシウムが200mg前後とみなされており、加えて10代の成長期や妊娠女性はカルシウムを50%程度(授乳期は85%前後)増量する必要性も提示されており、摂取量の不足が懸念されるのである。

 ドロマイトは、太古、サンゴなどが海底に堆積して石灰岩を形成したあと、そのカルシウムの一部が海水中のマグネシウムと置き換わった鉱石で、カルシウムとマグネシウムの組成比が2:1という願ってもない理想的な割合で含まれ、しかも純度が高い。  この生物由来の鉱石を微粉末にすることで、白くて無味無臭の、しかも人体への吸収が高く、サプリメントにも栄養補助食品にも最適の素材(食品添加物ではない)が実現した。デンマーク産天然ドロマイトを使った菓子の輸入も厚生労働省から認可されており、国産のドロマイトも市場に供されている。

ドロマイトの商品一覧

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コメント

ドロマイトは独立行政法人国立健康・栄養研究所のデータベースのなかで、

・ドロマイトを含む製品は鉛を含む可能性があるため、ドロマイトを経口摂取することは危険性が示唆されている (66) (PMID:8015752) (PMID:16449055)。
・妊婦・授乳婦・小児が経口摂取することは危険性が示唆されているため、使用を避ける (66) 。特に小児は鉛の感受性が高いため、少量であっても長期間経口摂取することは避ける (66) (PMID:8342726) 。
・ドロマイト製品の中にはアルミニウム、ヒ素、鉛、水銀、ニッケル等の重金属が混入しているものもあるため、経口摂取により重金属中毒を引き起こす可能性が報告されている(PMID:6844959) (PMID:10753088) (66) 。
・糖尿病で末梢神経障害の64歳男性 (アメリカ) が多量のドロマイトを数年間摂取(摂取量不明)し、毛髪から正常値を上回る濃度の鉛と水銀が検出されたとの報告がある (PMID:6844959) 。
・てんかん患者 (年齢、性別不明) がドロマイト製品4~6粒/日 (摂取量不明) を摂取し毛髪から、正常値を上回る濃度のヒ素と水銀が検出されたとの報告がある (PMID:6844959) 。
・てんかん発作のある23歳男性(アメリカ)がドロマイトを摂取した数日後 (摂取量不明) 、急激な発作が誘発された。また、ドロマイト製品一粒/日 (摂取量不明) を摂取し、発作前に金属味、唾液過多、不安感を誘発したとの報告がある (PMID:6844959) 。
・骨粗鬆症の68歳女性 (アメリカ) が原因不明の脱毛を生じ、摂取していたドロマイトを含むカルシウムサプリメント (摂取量、摂取期間等不明) を分析したところ、アルミニウム、ヒ素、カドミウム、クロム、鉄、鉛、マンガン、マグネシウム、水銀、リン、亜鉛を検出したとの報告がある (PMID:6844959) 。
・7ヶ月齢の乳児 (南アフリカ) が、ドロマイトが原料と推定される伝統薬を摂取し、鉄やマンガン、その他複数の金属による金属中毒症状を呈したという報告がある (PMID:12175791) 。
・ドロマイト等を含むカルシウムサプリメント136製品における鉛含有量を定量したところ (アメリカ) 、2/3の製品は許容量 (1999年、カリフォルニア州) を超えていたが、制酸剤や調製粉乳としての製品では鉛濃度が低く、制酸剤では85%が、調製粉乳では100%が許容量以下であったとの報告がある (PMID:10753088) 。
・ドロマイト等を含むカルシウムサプリメント70製品における鉛含有量を定量し、牛乳中鉛含有量と比較したところ (カナダ) 、25%の製品が、6歳未満小児での米国FDA基準値を超えて含有しており、牛乳中鉛含有量よりも少なく調整されている製品は20%以下であったとの報告がある (PMID:8342726) 。
・ドロマイトはカルシウムサプリメントの原材料として利用されることがあるが、カルシウムを経口摂取すると胃腸過敏、便秘を起こすことがある (64) 。炭酸カルシウムの大量摂取は高カルシウム血症およびアルカローシスを起こす可能性がある (64) (詳細は「カルシウム」を参照)。
・ドロマイトはマグネシウムサプリメントの原材料として利用されることがあるが、マグネシウムを経口摂取すると胃腸過敏、吐き気、嘔吐、下痢を発症することがあり、大量摂取では高マグネシウム血症として口渇、低血圧、眠気、錯乱、腱反射低下、筋肉低下、呼吸抑制、不整脈、昏睡などの症状および、心停止および死亡の危険性がある (64) (詳細は「マグネシウム」を参照) 。

とあり、決して推奨すべき健康食品ではないのではないでしょうか。
可及的速やかに削除願います。

いずれも可能性に過ぎない話です。極端なところ、自然界に存在している食用に供する物は、多かれ少なかれ、何らかの有害物質を含んでいます。例えば、魚類の油脂には、重金属類が蓄積されることが広く知られています。大型の魚類ほど、食物連鎖の関係で、多くの重金属を蓄積します。それでも、マグロの大トロに代表されるような食材が、有害な食品とは認知されていません。もちろん、気にする人は食べないと思いますが、気にし出すと、食べる物が無くなります。何が安全で、何が安全でないのかは、自分で考え、選別していくしかありません。安全は、人が保証してくれるものではないのです。

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