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2005年12月 4日 (日)

クエン酸

○クエン酸

 クエン酸は、今から200年以上前の1784年、スウェーデンの科学者シェーレにより発見された爽快な酸味を持つ酸である。レモンやライム、グレープフルーツなどの柑橘類に多く含まれており、例えばレモンの大きいもの1個には約4gのクエン酸が含まれている。人の血液中には総量にして0.1g近く含まれ、常に体中を駆け巡っている。

 クエン酸の重要な働きのひとつにキレート作用がある。キレートとはギリシャ語でカニのハサミを意味するケーレーに由来する言葉で、金属のイオンをある化合物の両端に挟み込み、その金属イオン特有の性質を覆い隠す。クエン酸は生体内で、カルシウムやマグネシウム、あるいはアルミニウムなどのミネラルイオンと結合し、イオンとしての作用を表さないようにする働きがあるため、保存血液の抗凝固や大腸ガンの検証時に活躍するマグネシウム塩類下剤に応用されている。また、クエン酸と鉄のキレート化合物であるクエン酸鉄は、アルツハイマー病の治療薬として用いられることもある。それはクエン酸のキレート形成能力と、その無害性によるものである。

 このように、無毒で卓越したキレート作用を持つクエン酸だが、その真価を最大限に発揮するのは、生命維持に欠かすことのできないエネルギーを獲得する場面である。

 体に吸収されたブドウ糖などがエネルギーに変わるのは2つの方式がある。ひとつは解糖作用、もうひとつはクエン酸サイクルである。

 解糖作用は、生体細胞がブドウ糖からエネルギーを獲得する基本的な方法で、空気の存在しない環境で繁殖する微生物や、人間のような高等動物においても血液中の赤血球などは解糖作用でのみエネルギーを得ている。解糖作用は1分子のブドウ糖が2分子の乳酸(またはピルビン酸)に分割され、そのときに現れるエネルギーがATP(アデノシン3リン酸)というエネルギー化合物に蓄えられる。ATPは単細胞生物の細菌から多細胞生物の人まで、全ての生物体に含まれており、生物は必要に応じてATPを分解して、そのときに放出されるエネルギーをいろいろな生命活動に利用している。

 もうひとつのクエン酸サイクルは、酸素を使って栄養素を燃焼させてエネルギーを獲得する方法で、真核細胞内にあるミトコンドリアという小器官で行われている。解糖作用が進行していくと、乳酸が溜まってその部分は酸性になり、ついには解糖作用が停止するが、これは多量の乳酸による酸性化が原因で、解糖系に属する酵素の一部が作用しなくなるためである。しかし、解糖作用の最終生成物(ピルビン酸)をクエン酸サイクルに入れて酸化すれば、解糖作用単独の場合に得られるエネルギーの19倍ものエネルギーを取り出すことができるのである。

 クエン酸サイクルは、解糖作用によってできたピルビン酸を順次、クエン酸、シス-アコニット酸、イソクエン酸、α-ケトグルタン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、オキザロ酢酸へと少しずつ酸化させることによって、栄養素を完全に燃焼させ、ブドウ糖の持つ全エネルギーの42%をATPの形で利用できるようにする。最後のオキザロ酢酸は、ビルピン酸と反応してクエン酸を再生する。また、この反応の過程で脂肪合成の材料となるNADHのような、生体に必要な物質も作られる。反応産物として出てくるのは、生体には全く無害な水と炭酸ガスのみである。

 この仕組みのキーを握っているのがクエン酸なとであるが、実際にクエン酸を摂取することによって、運動能力の向上、疲労回復、肩こり・腰痛の予防、抗菌・抗ウイルス作用が見出されている。最近は、各種機能性素材とクエン酸が組み合わされ、さまざまな健康食品が登場している。

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